• 秋月 偲希

【近すぎて、】

あるところに、絵本が大好きな女の子がいました。

なかでも、不思議なねずみがでてくる本がお気に入りでした。

まだ、その女の子は字が読めません。

なので、お母さんに読んでもらっていました。


女の子は大きくなり、勉強もし、

字が読めるようになってきました。

お気に入りの絵本も自分で読めるようになりました。

お母さんへの読み聞かせもばっちりです。


けれども、急に女の子はその絵本が読めなくなってしましました。

文字がみえないのです。

お気に入りで大好きな絵本なのに。


泣いている女の子にお母さんはいいました。

「そんなに近すぎたら、見えるものも見えなくなってしまうわよ。」

そうです。女の子は大好きな絵本にぴたっと顔を近づけて読んでいたのです。


どんなものでも、ある程度の距離感が必要なのかもしれません。