• 秋月 偲希

【たくさんの花】

ぼくはお花が大好きだ


まっすぐな道に咲く花


でこぼこ道に咲く花


キレイに整えられた花


色んなお花が溢れている


ぼくも欲しいな


そう思って探しにでかけた


ぱっと入ったお花屋さん


そこには色とりどりなお花がたくさん


どれにしようかな、ワクワクがとまらない


すると、真っ赤な花が声をかけてきた


「わたしにしたら?」


とても強そうでキレイなお花さん


「じゃあ、キミにするよ」


真っ赤なお花をお家にかざった


パッと明るくなったようだ


「ありがとう、真っ赤なお花さん」


ぼくはよろこんだ


けど、真っ赤なお花さんは違ったようだ


「この花瓶、わたしには合わないわ」


不機嫌そうな顔をしている


「ぼく、これしか持ってないから」


真っ赤なお花さんは 時間がたつと枯れてしまった


また、新しいお花を探しにでかけた


「ぼくを連れてかえってよ!」


オレンジ色の大きな花びらをしたお花さんが話しかけてきた


「じゃあ、キミにするよ」


オレンジ色のお花さんをお家にかざった


「なんて元気がでるんだろう」


ぼくはよろこんだ


オレンジ色のお花さんはちがった


「もっとたくさんの友達がいると思ったのに」


しょんぼりして、元気がなくなった


すると、だんだん枯れていった


どうして、みんなすぐいなくなっちゃうんだろう


ぼくは寂しくて仕方なかった


もう、お花屋さんに行く気にはなれなかった


悲しい気持ちで外を歩いていると、ふわふわと綿毛が飛んできた


「こんにちは」


「キミはだれだい?」


「わたしはだれかしら?」


綿毛のキミのことがまったくわからない


「キミのこと教えてよ」


「じゃあ、あなたのことも教えて」


ぼくと綿毛はたくさんお話をした


綿毛の姿が少しずつ変わってきた


ふわふわだったのに 葉っぱがはえてきた


「キミはずっとふわふわなままじゃないんだね」


「そうね、わたしはあなたが思ってたようものではなかったみたい」


けれども、ぼくと綿毛だったキミはもっと仲良くなった


すると、葉っぱがぐんぐんと伸びて大きくなった


「キミはどんどん成長していくんだね」


「そうみたい、どうなるか自分でもわからないもの」


ぼくは追い越されてしまうのが怖くなって、


綿毛だったキミから距離をあけた


どれくらいか時間が経った


「おひさしぶり」


ぼくは一瞬だれだかわからなかった


それはまぎれもない、綿毛だったキミだった


黄色い花をたくさん咲かせて、前のキミとはまったく様子がちがっていた


「おどろいた?」


ぼくの顔を面白そうにのぞくキミ


「びっくりしたよ」


綿毛だったキミは少し寂しい顔をする


「どうしたの?そんなキレイな花を咲かせて 嬉しくないの?」


綿毛だったキミはぼくの顔をしっかりとみた


「キレイな花を咲かせたとしても、わたしはわたしだよ」


ぼくは心がぎゅうっと苦しくなった


そして、黄色い花を咲かしたキミはまた綿毛になった