• 秋月 偲希

【なくしたいもの】

たくさんのお花のなかに一輪の悩めるバラがいました


「どうして、私には他を傷つける棘があるのだろう」


自分のなかの棘がどうしても許せません


棘がなかったら、もっとみんなと仲良くなれるのに


そんなことを考え、毎日生きていました


棘なんて、全部なくなってしまえ


ひとつひとつ、棘を引き抜いていきました


痛いおもいをしながら、ひとつひとつ...


すると、どうでしょう


ほかのお花と似たようになってしまい、


バラはバラとわからなくなってしまいました


たくさんのバラの仲間からも見放され、


ほかの花にも受け入れてもらえず、どこにも居場所がありません


わたしはわたしなのに


本当になくしたいものはいったいなんなのでしょう