• 秋月 偲希

【新しいくつ】

あるところに、くつがいた

ずっと前に進めず足踏みばかりしてるくつ


通りすがりの、あおむしがいった

「なにをしてるんだい?」


くつはこたえた

「なにをしようとしてるかわからないんだ」


あおむしは不思議な顔をして進んでいった


こんどは てんとう虫がやってきた

「どこにいこうとしているの?」


くつはいった

「どこにいこうとしてるんだろう」


てんとう虫も不思議な顔をして飛んでいった


蝶が近くの花にとまった

「どうして足踏みしてるの?」


くつはこたえた

「他のくつたちはどこかにすすんでいるんだ」


蝶は不思議な顔をしていった

「じゃあ、足踏みなんかせずに立ち止まってみたらいいんじゃない?」


蝶はそういってヒラヒラととんでいった


「そっか。ぼくはぼくだから 新しいくつにはなれないんだ」