• 秋月 偲希

読むということ

文字にむさぼりつく 

知りたいという欲求がそれをさす

むしゃむしゃ、むしゃむしゃ

手で紙の感触を味わい、

1ページ、1ページめくってゆく

どんどんめくる指先がつよくなり、

もどかしさが募ってくる

もっと、もっと、くださいと

波打つ物語

その緩急で胸が締め付けられる

迫ってくるクライマックス

荒くなる息遣い

消えてゆく音

もうそれ以外、考えられなくなる

世界を味わう、味わい尽くす

途端に入ってくる言葉

身体を熱くさせる

それ以上、心揺さぶらないで

耐えられない

あたたかいものが顔につたう

舌先でぺろっとなめてみると

ほんのりしょっぱい

本を閉じ、余韻に浸る

まだ、熱がこもっててじんじんとする

そのまま、日常へと戻る

身体に熱いものを残しながら