• 秋月 偲希

【ながれ】



あるところに大きな岩がありました


その岩が地震で落ちて、そこからたくさんの小さな石ができました


小石たちはお喋りしたり、おにごっこしたり、絵を描いたり


みんな仲良しでした


時間がたち、小石たちはバラバラに旅立ちました


10年後にまたここで会おうと約束して




1つの小石は、高い山を目指し登ったり、


もう1つは、街に出たりしました


ある小石は、岩があったところに残り、みんなを待ちました


そして、10年が経ち、ぞくぞくと小石たちが 


岩のあったところに戻ってきました


あの頃の小石たちです


みんな、たちまち笑顔になり、今まで何をしてたか おしゃべりがはずみます




そんなとき、1つの小石がやってきました


みんなより、小さく小さくなった小石


その小石をみて、周りは笑い、バカにしました


「なんだ?そのちっぽけな姿は」


ちっぽけな小石は黙ったままでした


ずっと、岩があったところにいた小石が話しかけました


「久しぶりだね、君はここから出て何をしてたの?」


「僕は海が知りたくて、川をたどっていこうとしたら


落ちちゃって、激流で流されてたんだ」


そうなのです


このちっぽけ小石は川の流れで削られてどんどん小さくなっていったのです


「こんな恥ずかしい姿みせたくなかった...」


待っていた小石は、目を輝かせて、小さな小石をみました


「すごい!大冒険じゃない!!聞かせてほしい、その話を」


ちっぽけ小石は驚きました


こんなキラキラした目で話をきいてくれるなんて


ちっぽけ小石は、たくさん話しました


大きな滝から落ちたこと、


川のなかで魚たちに助けてもらったこと


鳥と仲良くなり、空を飛んで


ずっと見たかった海をみれたこと


待っていた小石は話を聞いて、想像するだけでワクワクしました


「見た目がこんなのになっちゃったから、誰も僕を相手してくれる


なんて思わなかったよ」


「君が歩んできた道は、誰も味わったことない経験なんだよ


どんなものにだって、1つ1つに物語がある


見た目は変わったとしても、君は君なんだから


君のことばで、そのお話を聞かせてほしい」


ちっぽけだった小石は、嬉しくて嬉しくて


今まであったことをたくさん話し、


ふたつの石は時間を忘れるほど語り明かしました