• 秋月 偲希

夏の朝

明けやらぬ空、目を覚ます。

二度寝も十分にできる時間なのだが、なんだか寝れず。

ベランダから流れてくる風に誘われて、

薄暗いなか、まだ寝ている太陽を待ってみる。

風が心地よい。

住宅が並んでいる場所なのに、とても静かだ。

ご近所さんの寝息も聴こえてくるんじゃないかというくらいしんとしている。

心地よい。

きっと、この近くには何十人と人がいるはず。

いつもは風も太陽もみんなで分けっこしなければならないが、

今、風を独り占めしている。早くでてこい、太陽。

急かしたからか、しらじらと夜が明けてきた。

もう、朝なの?と寝ぼけまなこの太陽が顔をだす。

まだ、雲のお布団からでたくないのか、夏のじりじりとした光ではない。

優しく包んでくれるような光。

なんだか、私もお布団のなかにいるみたいで、あくびがでた。

顔を支えている手が重くなってきた。

太陽がちゃんと起きたのを確認してから、もうひと眠りしてやろう。

少し目を閉じていただけなのに、あたりがもう明るい。

空を見上げたら、お寝坊さん!と太陽に笑われた気がした。

口をとんがらし、太陽を無視し、部屋にはいる。

さっきより、風が生ぬるくなっていた。

ごろんと寝転び、夢のなかへとはいろうとする。

次はどんな夢がみれるかな。出発進行!

その合図とともに蝉がいっせいに鳴きだした。

待ってました!といわんばかりに大声で。

急に外が騒がしくなり始めた。

目覚まし時計の音や、バイクが発進する音、

わんちゃんがお散歩にいきたくてご主人を起こしている声。

また、さらに蝉の鳴き声が激しくなる。

まるで朝がくること、生きていることが嬉しくてたまらないというように。

朝の音は、軽快だ。とくに夏の朝は。

歓喜の声のおかげだろう。

二度寝なんかできるはずなく、新しい1日を迎えることにした。